大渋滞のせいじゃないこんなヒドい頭痛

  「社会にはいろいろな人がいるよ」と親に言われて育ってきた。私が最近、それを強く実感するのは車を運転している時だ。例えば交差点での右折。道路の右側ギリギリに車体を置き、少しでも後続のドライバーを直進させようとする人もいれば、何も考えずに後方で渋滞を作り出している人もいる。運転というのは思いやりごっこなのだ。そういう視点で路上を走っていると、なるほど、社会にはいろいろな人がいる。

   先週、紅葉を見に行きたいという友人の誘いで、私は横浜から日光へと車を走らせた。その道中で私を呆れさせたのは、週末ドライバー(と思われる)の、走行マナーの悪さである。スペースがないにも関わらず、隣の車線から無理に車をねじ込んでくるドライバー。そんな車に限って「ドライブレコーダー録画中」のステッカーが後方に貼り付けてある。ドライブレコーダーで録画してほしいのは後ろから煽る車ではなく貴方の走行マナーですよと言いたかったが、そんな声は車外に届くはずもない。

   事故の多さにもまったく閉口した。それもそのはず、渋滞の列の中で執拗に車線変更をするドライバーが多すぎるのだ。今回のドライブで、私たちは3つの事故渋滞(東北道下り浦和インター付近、いろは坂手前、東北道上り栃木インター付近)にはまったが、東北道2つの事故は、いずれも非常に近い距離で別の事故が起こっていた。これの意味するところはこうだ。まず1件目の事故が起こって渋滞が発生する。その渋滞の中で矢鱈と車線を変更するドライバーによって、2件目の事故が誘発されるのだ。渋滞の中ではただでさえ車間が詰まっている。事故車を避けるための車線変更なら仕方がないとも思えるが、隣のレーンが空いているからなどという、独りよがりで、思いやりの欠片もないドライバーによって事故が引き起こされているのだ。こんなに腹の立つことはない。

   帰りの栃木インター付近での渋滞の中で、あっちへこっちへ車線変更をしていた車を佐野サービスエリアで発見したが、後席から子どもが出てきたのには本当に驚いた。どこの世界に、大事な家族の命を危険にさらす父親がいるだろうか。自分がどれだけ身勝手な行為をしているかをこの父親が理解することはないのだろう。奥様あたりが、次は電車で出かけましょうと提案してくれることを切に願う。

   いよいよ11月に入った。秋の夕暮れはなぜか事故が多くなるらしい。いつも以上に注意してハンドルを握ることが求められている。